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2016-07-06

失って気が付いたこと~帽子の人になるまで

私は子どもの頃から特に大きな病気をすることもなく、健康でした。

社会人になっても、毎日出社して仕事を1日こなすことは何の問題もなく、日々仕事のことばかりを考えていられる程元気でした。
それは、ずっと当たり前だと思っていたし、特別何も考えることもありませんでした。


それがいつの間にかに・・・少しずつ何かのバランスが崩れていました。


気が付いた時には、皮膚科の薬がないと落ち着かない生活になっていました。
強めの薬を、かなり長期間・・・。

元々子どもの頃からアトピーはありましたが、長期で病院のお世話になることはなく、大人になってまさか何年も通い続けることになるとは想像できないことでした。


ある朝、私は目が覚めて自分の身体の異常に気付きました。

顔と首が腫れ上がり、一面に米粒大のブツブツ・・・。顔と首の境目には、電気が走ったような、神経を針でグサグサと突き刺しているかのような、激しい痛み。

1週間、高熱で寝込んでいる間に私に何が起きたのか?!もう、私には何も分からない状態になっていました。


いつもの皮膚科に通い、それが「カポジ水痘様発疹症」という病気だと分かりました。

顔から首にかけてのブツブツからは膿が溢れ流れ落ち、神経を刺すような痛みで眠れない日もあったけれど、1カ月位かかって何とか見た目キレイになりました。しかし、薬代高い~!!


しかし・・・それは序章。
疲れがたまると、またすぐに再発!
通い慣れた病院と、大きな病院を行ったり来たり・・・。

そのうち、みるみる脱毛していく私がいました。気が付くと、全身・・・。


その頃には、通い慣れた個人病院にはほぼ見放された状態となっていて、もう病院に対して不信感でいっぱい・・・。誰にも頼らず、自分で治そうと思うようになっていました。

ネットでいろいろ調べては試してみたりしていました。
また髪の毛が無いので、帽子もいろいろネットで購入して被っていました。

帽子もいろんな種類があるけれど、ほとんど髪の毛があるからこそ被れるという帽子ばかり(当たり前だけど)、髪の毛が無い人が被るにはいろんな点で合わないものばかりでした。

この時になって初めて、帽子が日よけやファッション以外の用途で購入するという立場の人の気持ちが分かりました。


眉毛がないと、頭や額から落ちた汗がすぐに目に入って目が痛い。
まつ毛がないと、目にゴミが入りやすくなる。
鼻毛がないと、鼻にホコリやウィルスが入りやすくなる。


あって当たり前のものが無いとどれだけ大変かということ、そして身体にはそれらがムダなものではなく、すべてちゃんと意味があって必要だということ。
・・・だんだんと分かったような気がしました。

それと同時に、自分の身体に感謝でいっぱいになりました。


その頃になって、ようやく「自分の帽子」と思える帽子に出会いました。
それはガンで苦しむお母さんのために手作りされた娘さんの愛情いっぱいの帽子が、製品化されたものでした。

少しずつ外出する機会も増え、帽子を被る前よりも多くの人にお会いするようになりました。


その中でお会いした方から本当に良い病院を教えていただき、現在は私の身体に負担がない方法での治療を受けています。

以前よりは再発回数も減り、あとはまつ毛が少しと髪の毛が戻ったら・・・というところまできました。


普段の私は自分の髪の毛のことは忘れているので、そのまま帽子を被らずに外出しようとすると、甥っ子が慌ててやって来ます。
「帽子、忘れてるよ!」と。

どうやら、私の傍にいるこの小さな子ども達は、髪の毛が無いのが「私」だという認識のようです。。。

昨日仕事でお会いした方も、昨日まで私が帽子を被っている本当の理由に気付きませんでした。


いつの間にか、私は帽子がトレードマークになっていて、すっかり「帽子の人」になっていました。
髪の毛が戻ったとき、帽子を被らなかったら「私」だと気付いてもらえないのでは?なんて、時々思うこともあります。


ひとまず、車の免許更新までに髪の毛が揃ったら良いなぁ・・・。

今は焦らず、良いと思うものはチャレンジし、疲れたら休み、日々全てに感謝しながらのんびり生活しています。

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